- ける
- I
ける【蹴る】〔下一段動詞「ける(蹴)」の四段化。 近世江戸語以降の語〕(1)足の先で強く突いて, 物を遠くへやる。 また, はねとばす。
「馬に~・られる」「ボールを~・る」
(2)(地面を)強く踏む。「大地を~・って進む」
(3)(「席をける」の形で)荒々しくその場を去る。「憤然として席を~・って立つ」
(4)相手の要求・申し入れ・提案などを強く拒絶する。 はねつける。「先方の要求を~・る」「そのおのれが根性をなぜ~・らぬ/浄瑠璃・紙屋治兵衛」
〔もと下一段活用であったので, 「けたおす(蹴倒す)」「けちらす(蹴散らす)」など複合語には「け…」という形もあり, 命令形には「けれ」と並んで「けろ」も使われることがある〕‖可能‖ けれる︱慣用︱ 踏んだり蹴ったりIIける【蹴る】〔中古以降の語〕「ける(蹴)」(動ラ五[四])に同じ。「只今の太政大臣の尻は〈ける〉とも, 此の殿の牛飼にも触れてむや/落窪2」「雲林院にて鞠を〈け〉られけるに/著聞 6」「まりこ川〈けれ〉ばぞ浪はあがりけり/去来抄」
〔「蹴る」の意の語には, 古く「くう(ワ行下二段)」「くゑる(ワ行下一段)」「くゆ(ヤ行下二段)」「こゆ(ヤ行下二段)」などが見られる〕
Japanese explanatory dictionaries. 2013.